うちなーSongのルーツを追う(11/7)
昨日の18:30から「うちなーSongのルーツを追う」という、沖縄の古謡に関する講演と実演が国立劇場おきなわ小劇場で開催されたので観に行った。主催は財団法人沖縄県文化振興会だが、「うちなーSong」だなんて随分軽薄な言葉をこしらえたものだ。
「沖縄の古謡をたずねて」と題された講演の講師は、1965年に発売された「沖縄音楽総攬」という16枚組のLP(現在入手不可能。総演奏時間11時間余。当時の販売価格35,000円。沖縄では100ドル)の編集と700ページに及ぶ解説書を書かれた三隅治雄氏(財団法人民族芸術交流財団理事長)。民俗芸能が好きで好きでたまらなく、それを広く世間に伝えたいとの気持がひしひしと感じられる良い講演だった。
「沖縄芸能の根源はウムイ。ウムイがウタとウドゥイになる」との言葉が一番印象に残った。
19:25から10分間の休憩を挟み、いよいよ古謡の実演が始まった。演目は国頭村安田(あだ)のウシンデーク(出演・安田古文化財保存会)、池間島のクイチャー(出演・池間郷友会有志)、黒島の正月ユンタ(出演・黒島民俗芸能研究会)。
3つの団体は全員素足で舞台に上がっていた。それが何故だか神々しく感じられ、初っ端の安田古文化財保存会が登場した時から不覚にも涙がこぼれそうになった。きっと昔の人は足の裏で地球とつながり、更に地球を通して宇宙とつながっていて、そのパワーを体内に取り込んでいたに違いない。破傷風になる人も多かっただろうけど。
講演、実演とも満足だったが、唯一残念だったのは、司会者が第2部の始まりを告げても喋り続けている2人組がいて、実演が始まったら黙るだろうと思っていたのに、ウシンデークが始まるとその太鼓や歌声に負けじと、2人とも声を大きくして延々と喋り続けたことだ。耳障りなこと、この上なかった。第1部が始まる前には司会者から「講演中は会場内を歩き回らないで下さい、私語は慎んで下さい」と注意があった。私は1度だけ振り返り、その顔を確認したが、このバカ2人(何度でも言ってやる!バーカ、バーカ)は「何でぇ、講演中は喋るなって言われたけど、実演中は喋るなって言われんかったさぁ」とでも言いたげに、喋りながら睨み返してきやがった。
うちなーの神への祈りを邪魔したこのバカ2人の米櫃が空になりますように。
琉球新報夕刊、2006年10月19日
琉球新報朝刊、2006年12月16日
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